mactisの経済ブログ

ある銀行員が金融メジャーリーガーを目指して格闘するブログ

『プライベートバンクの嘘と真実』を読んだ感想

こんにちは、mactisです。

今回は『プライベートバンクの嘘と真実』を読んだ感想を記していきます。

 

 

◯本の概要
日本の金融機関がなぜダメで、伝統的なプライベートバンクがなぜ良いのかについて筆者の考えをまとめているものです。また、プライベートバンク事の特色や違い、実際にプライベートバンクに口座を作成するための方法なども詳細に説明されており、ネットで調べてもあまり深く理解することができない知識が得られる書籍となっています。

銀行員というよりも資産運用や保守で迷われている富裕層をターゲットとして書かれたものとなっています。

プライベートバンクの嘘と真実

 

◯著者

篠田丈(しのだたけし)

日興証券、ドレスナー証券、ING証券、BNPパリバなどのトレーディング部門でキャリアを歩まれた方だそうです。つまり運用を提案する銀行員ではなく、運用する側の方でだったんですね。現在はアリスタゴラ・アドバイザーズ代表取締役社長として金融面でのコンサルのようなことをされているようです。

 

共著者

クリスティアン=シーグフリード・・・バウマンのエグゼクティブボードメンバー

・ミヒャエル=クング・・・バウマンのプライベートバンキング部門責任者

コンスタンティン=ワイダ=マルベルグ・・・キャピタルバンク取締役

・マリオ=フリック・・・バンクフリック取締役会長

 

◯感想

 私がこの本を手にとったのは銀行員として今後どのようなキャリアを歩んでいくべきかのヒントを見つけたいと思ったからです。実際に銀行で働いていてこれからのキャリアについてのイメージがいまいちできておらず、ただ与えられた仕事をこなすので精いっぱいな状況です。目指したい銀行員像に近づくヒントがあればいいなあというような気持ちでした。

 この本は銀行員に向けて書かれた本ではありません。しかし、日本の普通の銀行で働いていてはあまり理解することのできないプライベートバンクの仕事や考え方などを知ることができてかなり参考になりました。特に顧客第一主義であることは普通の銀行ではできないことだなあとひしひしと感じました。

 日本の銀行では毎期毎期ノルマが与えられ、お客さんのためになっているかわからないけれでも売らなきゃいけないから売っているという状況があることは間違いありません。口ではフィデューシャリーデューティーとかなんとか言っていても結局は会社の利益のために手数料を取っていかなくてはなりません。一方でプライベートバンクの収益の大部分は創業家をはじめとした特定のファミリーが預けている資産の運用によって得られるようです。そのため敢えて手数料を多く取れるような商品を売って規模の拡大を図る必要がないとのことなのです。

 

 自分のキャリアをどう描くかという話になりますが、銀行員という仕事はかなりの職種に分かれています。法人営業、個人営業、与信審査、運用、窓口、庶務etc、、、。様々な仕事がある中で現在銀行業問わず騒がれているのがAIによる業務の代替です。文章中にもAIが出てくることで伝統的プライベートバンクが廃れていくかという論点が記載されています。著者の現在の仕事柄、ある程度のポジショントークはあるかと思いますがプライベートバンクの業務は残り続けると著者は考えています。私も業務で資産家の相続などに関わることがあり、思うのは人の意思はそんなに簡単じゃないということです。どうやって次の世代に資産を残すか。お客様によって考え方はかなり異なります。相続税対策では非効率な配分でもお客様の意思がそこにはあります。その意思に耳を傾け、会話を重ねて一緒になって考える。それはAIには決してできないのかもしれないなと思いました。

 

何度も重ねますがこの本は銀行員ではなく、富裕層へ書かれたものです。しかし、この本を読んで私はAIにやられない仕事は何だろう、自分に向いているものは何だろうと、より考えさせられました。プライベートバンクという仕事の面白さを垣間見ることのできる一冊です。

そして間違いなく私の行っているアパートの与信審査はAIに駆逐されます(笑)。早く実力つけなくては、、、。

プライベートバンクの嘘と真実

プライベートバンクの嘘と真実