mactisの経済ブログ

ある銀行員が金融メジャーリーガーを目指して奮闘するブログ

銀行員は見た!不動産オーナーの凋落

こんにちは、mactisです。

今回は家賃収入が毎月チャリンチャリン入ってきて悠々自適な生活を送っていると予想される不動産オーナーについて書いていきます。

 

 

◯お金持ちをよりお金持ちにする仕事

 私は銀行で融資業務に携わっています。そして数ある業務の中でもメイン業務として行っているのがアパートローンです。この業務は銀行業務の中でも富裕層をターゲットにしているものであり、貧乏人には見向きもせずお金持ちをよりお金持ちにするビジネスです。

お金持ちとの取引を増やしていきたい銀行ですが、それだけでは十分な収益を稼げません。そのためお金持ちになりかけの人(=準富裕層)にも対象を広げているのが現状です。

そして今回のテーマである不動産オーナーの凋落は準富裕層にしばしば起きます。

 

◯富裕層と準富裕層

まず富裕層と準富裕層の違いを説明します(このブログ上での定義なのでご注意ください。)。

富裕層とは昔からのお金持ちです。生まれた時からお金持ちであり、莫大な資産があるのでその運用をすれば生活に困ることがありません。具体的な例としては地主や上場企業の創業者などが挙げられます。この層はほぼ確実に回収することができるので銀行としてもぜひとも取引したい先です。中でもアパートローンにおいては地主を特別扱いします。

準富裕層とは昔からのお金持ちではないものの、高い能力を持ち、高付加価値の仕事に従事し、高収入を勝ち取った人々です。例としては医者や弁護士、ビジネスエリートなどが挙げられます。この層も一般からしたらかなりのお金持ちであり、家柄も良いことが多いです。労働することで生活費を捻出しています。

 

◯準富裕層の凋落

では、同じ不動産オーナーでもなぜ準富裕層は凋落することがあるのでしょうか。

 

それは土地を持っていないからです。

 

準富裕層が不動産投資をする場合、土地の購入からすることになります。そうなると不動産投資はがぜん難しくなります。

東京の地価はどんどん上がっていますし、建築資材や人件費の高騰で建設コストも高まっているのが現状です。土地の購入からしなくてはならない準富裕層はかなり大きな借入をする必要があります。土地をもとから持っている地主とは立場が全く違うのです。

 

よほど無理な計画でない限り、不動産投資は始めのうちはうまく回っていきます。新しい物件には少し賃料が高くても住みたい人はたくさんいるし、修繕費用も大してかからないので収支は回っていくでしょう。

しかし、不動産投資は前半と後半では大きく環境が異なります。

20年後、自分の物件はどうなっているでしょうか。周りにはきれいで新しい物件が立ち並び、自分の物件はほぼ100%見劣りするでしょうし、賃料を下げなくては住んでくれないでしょう。また、周りの物件に対抗するために外壁や内装の修繕をする必要があり、費用が大きく膨れ上がります。

自力で修繕費を捻出できないために銀行で借入をする人もいるくらいです。

 

 この収支の悪化が準富裕層を苦しめます。地主の場合、建物分のみの借入であるため借入額が抑えられます。そのため多少の収支の悪化があっても返済が苦しくなることはありません。しかし、準富裕層のように土地から購入しているケースでは借入額が大きいため少しの収支悪化が死活問題となります。貯め込んできた資産を切り崩して返済に充てなくてはならなくなります。収支が悪化しても毎月の返済額は変わりません。

もちろん、仕事をし続けて高年収を維持しているのであれば大して困ることはないでしょう。しかし、不動産を購入した準富裕層は自分が富裕層だと勘違いをしがちであり、中には仕事を辞めてしまう人もいます。不動産に対する借入が無くなりさえすれば毎月チャリンチャリン生活に移行することができますが、そこまで待たずに仕事を辞めてしまうのです。

借入を全額返済する目途が立つまでは決して油断してはいけません。それだけでなく、仕事を続けていても不動産業者の無理な計画に乗せられて購入した場合も注意が必要です。後半の収支の悪化が激しく、不動産を手放すことになりかねません。

準富裕層から富裕層へと上がるためにはしっかりとした仕組み作りが必要だということです。

 

 

前期は残念ながら富裕層に上がれなかった人にお会いすることになりました。

「返済がきついから期日を延ばしてほしい」という言葉は悲しいものですね。

 

 

私は準富裕層から富裕層に上がる意欲のある人を全力で応援したいです。会社としては富裕層の取引を拡大したいのだろうけど。

能力のある人の夢を手助けできる銀行員になりたいものです。