mactisの経済ブログ

或る銀行員の奮闘記

住宅ローンの繰り上げ返済はしない! 銀行員が教える賢い返済方法とは?

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こんにちは、mactisです。

私は銀行でお金を貸しています。そんな毎日で多くのお客様とお会いすると、あまり金融知識がないんだろうなという方にもよくお会いします。

金融知識がないと感じる方の行動のひとつが題名にもある「住宅ローンの繰り上げ返済」です。今回は住宅ローンの賢い返済方法について易しく解説します。

 

 


住宅ローンを組むメリット

なぜ住宅ローンを組むのでしょうか。それは家を買うためです。当たり前のことですが、家を買うというのは大きな買い物です。大抵の人はローンを組まなくてはなかなか買えません。

本来であれば30年間貯金していかなくては買えないものを人からお金を借りることで「今」買うことができる。それが住宅ローンの大きなメリットです。当たり前すぎて意識することがないですがかなり画期的なことです。住宅ローンが無ければ家を買えるのはお金持ちだけになってしまいます。

レバレッジという概念を住宅ローンを組む際に考える人はあまり多くないと思いますが、住宅ローンで家を買うこともレバレッジを効かせた経済活動といえます。レバレッジとは「てこ」を意味し、簡単に言うと上記にあげたように人のお金(借金)を使って本来なら買えないものを買うことができるというような手法です。

そして住宅ローンを繰り上げ返済するということは融資を受けるメリットを自ら潰しにいく行為だと言えます。

アパートローンを例にしてレバレッジの考え方を以前まとめました。具体的にメリットを書いたので良かったら読んでみてください。⤵

keizaihakase.hatenablog.com

 

繰り上げ返済をする人の考え方

利息の支払いを出来るだけ少なくしたいから、今の収入がいつまで続くかわからないから等々、それぞれ様々な理由があるとは思いますが、大抵の場合この考えに行き着くのだと思います。

「借金を早く無くしたい。」

この考えはせっかくの住宅ローンのメリットを自ら潰しにいくというもので、私にとっては理解しがたい考え方です。
というのも住宅ローンは2018年7月現在では変動金利で0.5~0.7%程度、固定金利でも10年間の固定で0.8%~1%程度で借りることができます。この低水準で借りることができるのは住宅ローンという貸し倒れの少ない商品であることと長期にわたって続いている現在の金融緩和政策のためです。

これほどの低水準で借りているのに繰り上げてまで返すメリットが理解できません。というのも資産を3%で運用できるのに0.5%で借りているお金を返済するというのは賢くないよね。繰り上げ返済しようとしている100万円を投資に回した方がいいでしょ、というのが私の考え方だからです。 


繰り上げ返済をしないで運用する!具体的に試算すると?

言葉だけで語っても納得感がないので具体的に計算してみます。

下の表は3,000万円の住宅ローンを20年から35年までの4パターンの返済期間で返すとどうなるかをシミュレーションしたものです。金利は0.6%としました。

20年返済を選ぶと【毎月の返済額】が高額にはなりますが、【総返済額】を見ると最も少なくなっています。これは利息を支払う期間が短くなるためで、繰り上げ返済をしたがる人はこれがメリットだと思って繰り上げ返済をします。

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 確かに総返済額だけで見ると返済期間を短くするのはお得な気がします。しかし、毎月返済額の差額を見ると返済期間が延びるにつれて広がっていきます。

この差額分を3%で35年間運用したとしたらどうでしょうか。その運用益を示したのが【運用益(3%)】の行です。返済期間が延びるほど毎月の差額分が増えるため35年後の運用益が膨らんでいきます。【総返済額の差額】の金額を遥かに超えていることがわかります。

では、住宅ローン返済後に運用をするのはどうでしょうか。返済を20年で終えればその後は今まで住宅ローンの返済に充てていた分が運用に回せるようになります。【完済後からの運用(3%)】の行では各返済期間を終えて完済した後に毎月返済していた分を借入から35年が経つ時まで運用した際の運用益を示しています。20年で返済を終えた後も35年までは15年あるので完済後からの運用益はもちろん20年返済の場合が5,009,906円と最も大きいです。当然ながら35年返済の場合は返済終了と同時に35年経つので完済後の運用益はゼロです。

最後に【運用益合計ー総返済額の差額】と【35年後の手元資金の差額】の行を見てみます。一目瞭然です。返済期間を延ばせば延ばすほど将来の手元資金が増えます。0.6%の低水準でローンを借りているのならそれよりも高い利回りで運用した方が断然メリットを享受できるのです。

 

まとめ:繰り上げ返済するなら運用しよう!

繰り上げ返済なんてもったいない。せっかく安くお金を仕入れているのに、、と私は考えています。金融機関勤めていても繰り上げ返済の方がいいと考えている人は割と多くいます。ほんとこの人たち勉強してんのかな?と思わずにはいられないのですが、考え方は人それぞれですからね。

しかし住宅ローンの金利を超えるような運用なんて少し調べればでてきます。もし住宅ローンの繰り上げ返済を考えている人がいたら一度立ち止まっていただきたいなと思います。うまく返済して資産形成につなげましょう。

 

 

先進国の株式はここ20年間の平均で年6~8%の利回りがあります。長期で考えると運用のリスクはかなり下げることができるのです。

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